風の中で震えたのは
幼いままの私でした
いつか大人になるのを恐れ
ただひたすらに震えていた
暖かい空が 穏やかな波が
私の全てを受け止める様に
両手を広げるのに
輝くモノから 目を背けたまま
陰のみ探す黒い瞳が
行き場無く彷徨ってる
哀しみに支配されてもまだ
しがみつく意味は
必要とされるにも満たない
愚かな未熟者
風の中で見つけたのは
切なく映る月の破片(かけら)
いつか満ちる日をただ待っている
儚くも強い光
届かぬ思いが 時間を越えてく
軌跡とでも呼んで欲しそうに
憂わしげに宙を舞う
悲しみに支配されてもまだ
手離すその意味は
諦める事こそが良心と
浅はかな僣上者(せんじょうもの)
佇んだままの心が揺れている
目を覚ませるように
臆病を忘れた小さな心に
始まりの音が鳴る
風に触れて感じたのは
灯火(ともしび)のような清い温もり
そっと繋ぐように握り締めて
動きはじめた時を巡る