遠くから聞き覚えのある
誰かが歌う声が聞こえる
何かが軋むような
乾いた音も混ざって
能天気な程に
明るいギターの音に
僕は少しだけ苛立ちながら
日当たりのいい場所で
幸せについて考えてみる
いつか拾い忘れた
大事な事を思い出すように
少しだけ大人にもなって
難しい事も解るようになった
その度に僕は
子供でいたいと願う事だろう
言葉にもならないような
小さな僕の輪郭(かたち)は
くだらない歌をいつまでも歌う
雲のない青空に
僕は自分を浮かべてみる
微かに思い出したのは
君がとても好きだったって事
自転車の立ちこぎ
少しだけ上から見る空
それでも僕は小さい
とてつもなく小さいんだけど
日当たりのいい場所で
幸せについて考えてみる
例えばそれはきっと
「君がいる」とかそういう事